ピースボート新造船エコシップの真実

ピースボートとジャパングレイスが計画をしている新造船エコシップの完成が2022年になりました。SOLAS条約の改定により船の構造を安全基準に合わせる必要がでてきたことによるものだそうです。今回のことを知ったのは、ブログからです。文春さんは選挙が近くなるとすぐにピースボートと辻本清美をからめたがりますね(笑)。ピースボートが話題になるとネタができて記事も書きやすいので個人的にはうれしいですね。船の座礁という見出しで部数を稼ぐのはさすが週刊誌です。週刊誌のタイトルの書き方は勉強になります。さて、話はピースボートのエコシップに戻します。エコシップクルーズが遅れるということで、船を造るとはどういうことか海外サイトや造船の仕組み、状況など、さまざまな角度から調べてみました。

エコシップの進捗状況

エコシップの建造についてインターネット上では「作れない」「詐欺」「頓挫」はたまた「座礁したとか!」さすが注目度が高いNGOピースボートですね。以前は「宗教」「洗脳」など書かれていたので、笑ってしまいます。ピースボートに乗ったことがあるかのようにコメントして盛り上がっているひとたちもいました。ピースボートの食事は毎日「とんこつラーメン」なんですって。そんなわけないでしょ・・・いろいろ憶測が飛び交っています。

私が見た中でこちらの方のブログは理性的でおすすめです。

Ocean Lounge
はたのブログ

もっとも論理的で納得の内容だと感じるサイトでした。

エコシップの購入システムと建造費

ecoship資料

2022年のピースボートの新造船エコシップの新航路と新料金も発表されています。新造船の費用に関しては造船所に一括で払わないといけないという噂が多々ありますが、輸出信用機関(ECA)と呼ばれる政府系の金融機関が融資をする「輸出金融」とか「バイヤーズ・クレジット」といったようなしくみを利用するのではないかと予想されています。なかなか普段の生活では聞かないしくみですが、プラントとか建設機械とか、とにかく大きなお金がかかるものにはよく使われるみたいです。

どういう仕組みかというと・・・
【1】A国にとって建設や輸出が進めばその国の利益になる超大型案件がある(今回の場合は船ですが、プラントでも建設機械でも)。

【2】でも民間の銀行にとっては金額が大きいのでリスクが大きすぎてサポートしづらい!

【3】だけどとにかく大きな案件だから話が進めば請け負う企業にとっても嬉しい話だし、もっといえば国・地域の経済や関連産業の雇用にも貢献する・・・

【4】じゃあA国として応援しよう!
ということで、A国の政府の金融機関(ECA)が融資をする、ということです。日本も政府系の国際協力銀行をECAとして実際にこのしくみで結構他の国の船舶会社から日本の造船会社が発注を請け負うのをサポートをしているんですよ。

たとえばこれ→国際協力銀行

この場合は国際協力銀行がECAとしてシンガポールの会社に融資することで、日本のユニバーサル造船株式会社の事業を応援してるんですね。こんなシステムがあったとは!よくできてますねー。

ちなみにロイヤルカリビアンっていう結構有名なクルーズやってる船会社ありますよね?あそこも今まさにフィンランドとドイツのECAの融資をうけてフィンランドの造船会社で新しいクルーズ船を2隻つくってるみたいです。なんと調達額は・・・・31億ドル(約3100億円)!!!!!

参考サイト→EXPORT CREDIT AGENCIES in Shipping

 

ピースボート新造船エコシップクルーズの募集の始まり

エコシップクルーズはまず、ピースボートに一度乗船したことがあるリピーターさんから募集を開始したそうです。新造船の建造費は600億ともいわれています。一括で払う必要はありませんが、手付け金と実績は必要でしょう。ピースボートに一度乗船したリピーターさんは、応援や協力をしてくれる人が多いです。そのため、第一回のピースボートエコシップクルーズは、船賃が安く設定されていたのだと思います。第二回エコシップからは、初めてピースボートクルーズに乗ろうと思った人を対象としたエコシップとなっています。大型のクラウドファンディングと考えればわかりやすいかもしれません。

エコシップが2022年となったSOLAS(ソーラス)2020条約の正体

titanicship

流氷と衝突して沈没した客船タイタニック号の事故がきっかけでできた船舶における国際安全条約のようです。タイタニック号の沈没事故により多くのひとたちが犠牲になりました。救命艇の数、無線設備、船体の構造、氷山の監視体制等の問題が関連して発生した事故でした。1900年代前半当時は、船舶のルールは、各自の国が独自で決める方式をとっていましたが、タイタニックの海難事故を受けたことにより、世界各国がまとまり船舶の国際的な安全条約が作られと文献に記載されていました。過去の過ちを繰り返さない、人々の安全な航海と人類共通の海を守るための条約がSOLAS条約になります。船が事故を起こすことはめったにありません。一度事故があるたびにSOLAS条約は改定していきます。救命艇の数を乗船者の数にする。出航すぐに避難訓練は必ず行う。安全な航海をするために24時間態勢のスタッフを確保しなければならないなど様々あります。船上で火災事故があったときの改訂SOLAS条約により、船内での火を使う行為が限りなく制限されたりもしています。海難事故があるたびに、同様の事故を想定して安全性強化が行われる規定になっているようです。

titanicsolas

今回のSOLAS2020の改訂のきっかけはイタリアの客船コスタ・コンコルディア事故が原因です。コスタ・コンコルディア号では、ドイツ人、イタリア人、フランス人、ペルー人など各国の人々が犠牲になりました。多くの人々が被害にあったことや各国の人々が犠牲になったことも大幅改訂のひとつともいわれています。座礁して沈没しない船を造ることが盛り込まれました。船体に穴が開いたとしても水が入ってこない構造にするという要件です。船体の層を何重にも重ね合わせたり、区画を見直して水が進入しない、何日も沈まない船を造らなければいけなくなりました。この要件に満たす船は世界的に長期間船のレベルを保つことができます。数十年に一度のSOLAS条約改定により旧型の船から順番に使用ができなくなってしまうという国際的な約束になっているようです。

エコシップの進捗状況などの新情報は?

世界一周なんかできないといわれていた時期に、世界一周を実現させたのがピースボートといわれています。未完成品のエコシップなので、今はピースボートを信じて待つしかないでしょう。不安なひとはエコシップではない船に変更するのもよいと思います。車、飛行機など全般は、設計会社による守秘義務そうでどんな製品も完成が近くならないことには情報は出せないのが事実です。情報を出しておいて、大幅に仕様が変わってしまっては意味がありませんし、オリジナルの仕様だったものが、他社に使われる可能性もありますし。例えばapple社のiPhoneなどの製造は、関わっているひとが各国に渡るので、そのため関連会社から部品がリークされる場合がありかなり厳重な体制で情報を守っているそうです。守秘義務に厳しい国フィンランド。新造船エコシップの情報がアークテックからでるのはしばらくかかりそうです。一度情報が公開されれば報道の自由ランキング1位の国フィンランドですから、開示内容が広がっていきます。エコシップについては各国サイトを見ながら情報を追記していきます。

ピースボートエコシップクルーズ2022年航路の実態schedule

 

第1回エコシップ 「世界一周の船旅」

2022年4月11日(月) -2022年7月9日(土)[横浜発著90日間]
2022年4月12日(火) -2022年7月10日(日)[神戸発羞90日間]

新造船エコシップ
4/11(月)横浜[日本]
4/12(火)神戸[日本]
4/17(日)ダナン[ベトナム]
4/20(水)シンガポール
4/25(月)マーレ[モルディブ]
4/26(火)マーレ[モルディブ]
5/3(火)マッサワ[エリトリア]
スエズ運河
5/6(金)ポートサイド[エジプト]
5/7(土)ポートサイド[エジプト]
5/9(月)サントリーニ島[ギリシャ]
5/10(火)ピレウス[ギリシャ]
5/12(木)ナポリ[イタリア]
5/13(金)ナポリ[イタリア]
5/14(土)アジャクシオ コルシカ島[フランス]
5/15(日)モナコ
5/16(月)バルセロナ[スペイン]
5/17(火)バルセロナ[スペイン]
ジブラルタル海峡
5/19(木)カサブランカ[モロッコ]
5/22(日)ポンタデルガーダ[ポルトガル]
5/28(土)ニューヨーク[米国]
5/29(日)ニューヨーク[米国]
6/2(木)ハバナ[キューバ]
6/5(日)クリストバル[パナマ]
パナマ運河
6/8(水)プンタアレナス[コスタリカ]
6/10(金)プエルトケツァル[グアテマラ]
6/11(土)プエルトケツァル[グアテマラ]
6/18(土)サンフランシスコ[米国]
6/19(日)サンフランシスコ[米国]
6/22(水)バンクーバー[カナダ]
6/27(月)ジュノー[米国]
7/5(火)ペトロパブロフスク・カムチャツキ[ロシア]
7/9(土)横浜[日本]
7/10(日)神戸[日本]

第2回エコシップ「世界一周の船旅」

2022年9月12日(月) -2022年12月18日(土)[横浜発著97日間]
2022年9月13日(火) -2022年12月19日(日)[神戸発羞97日間]

新造船エコシップ
9/12(月)横浜
9/13(火)神戸
9/16(金)慶門[中国]
9/21(水)シンガポール
9/25(日)コロンボ[スリランカ]
スエズ運河
10/5(水)ポートサイドエジプト]
10/6(木)ポートサイドエジプト]
10/8(土)サントリーニ島[ギリシャ]
10/9(日)ピレウス[ギリシャ]
10/11(火)チビタペッキア[イタリア]
10/12(水)チビタペッキア[イタリア]
10/14(金)バルセロナ[スペイン]
10/16(日)カサブランカ[モロッコ]
10/18(火)ラスバルマス[カナリア請島]
10/25(火)サルヴァドール[ブラジル]
10/27(木)リオデジャネイロ[ブラジル1
10/30(日)モンテビデオ[ウルグアイ]
10/31(月)ブエノスアイレス[アルゼンチン]
11/5(土)ウシュアイア[アルゼンチン]
南極遊覧
11/12(土)プンタアレナス[チリ]
11/16(水)パルパライソ[チリ]
11/22(火)イースター島
11/29(火)パペーテ[タヒチ]
11/30(水)ポラポラ島[タヒチ]
12/6(火)ホノルル[IIワイ]
12/7(水)ホノルル[IIワイ]
12/17(土)横浜
12/18(日)神戸

第3回エコシップ「世界一周の船旅」

2022年12月26日(月) -2023年3月25日(土)[横浜発着90日閻J
2022年12月27日(火) -2023年3月26日(日)[神戸発薯90日間]

新造船エコシップ
12/26(月)横浜
12/27(火)神戸
12/30(金)贋門[中国]
1/4(水)シンガポール
1/12(木)ポートルイス[モーリジャス]
1/13(金)レユニオン島[仏領]
1/15(日)エホアラ[マダガスカル]
1/16(月)エホアラ[マダガスカル]
1/20(金)マプト[ポートエリザベス]
1/21(土)マプト[ポートエリザベス]
1/23(月)ケープタウン[南アフリカ]
1/24(火)ケープタウン[南アフリカ]
1/26(木)ウォルピスペイ[ナミビア]
2/3(金)リオデジャネイロ[ブラジル]
2/6(月)モンテビデオ[ウルグアイ]
2/7(火)ブエノスアイレス[アルゼンチン]
2/12(日)ウシュアイア[アルゼンチン]
南極遊覧
2/19(日)プンタアレナス[チリ]
2/23(木)バルバライソ[チリ]
3/1(水)イースター島
3/8(水)バペーテ[タヒチ]
3/9(木)ポラポラ島[タヒチ]
3/17(金)マジュロ[マーシャル諸島]
3/24(金)石巻
3/25(土)横浜
3/26(日)神戸

ピースボートの新エコシップデータ

ピースボートの新造船にかけるテーマは『もっとも地球にやさしい未来型客船』です。NGOピースボートが新型エコシッププロジェクトを立ち上げた時から船のフォルムがリニューアルされました。船の形状やプロフィールなどが変わっています。

プロフィール
[総トン数]65,000トン
[全長]261.9m
[全幅]32.2m
[喫水]7.3m
[乗客定員]1800人
[造船所]アークテック・ヘルシンキ・シップヤード

新造船エコシップの動力エネルギー

液化天然ガス(LNG)を主要燃料として使用します。ソーラーパネルを装着した折りたたみ式マストで風を動力としながら太陽光で電力をまかなう装備が新造船エコシップにはあります。昨今、世界中でクルーズブームが巻き起こっています。世界のクルーズ業界に革新を起こし、リーダーシップをとれるような船をピースボートは目指しているそうです。

新造船エコシップの船室

雄大な海と自然を体中に感じる、新型船室だからこその充実空間が感じられる設計になっています。あくまで計画段階での、形状と色味になります。

リニューアルしたエコシップの船室料金

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エコシップに初期の段階で申し込みをしていた人はSOLAS(ソーラス)2020適用前だったため、金額も安くなっていたようです。比べると数百万円の違いがある部屋もあります。現在のエコシップの部屋別料金です。

●グランドデュープレックス(約1000万円)
最上級の部屋は『グランドデュープレックス』という名称です。費用は約1000万円ほど。新造船エコシップのパンフレットには、ピースボートクルーズ初、メゾネットタイプ(二層構造)のスイートキャビンであることが記載されています。また、窓からは自然光をふんだんに取り入れた、最上クラスのラグジュアリーな空間が得られる仕様になっています。

●スイート(約800万円)
ワンランク上のゆったりとした安らぎの空間があります。充実した居住スペースでは、落ち着きのある贅沢な時間を過ごすことができる模様。室内でもバルコニーでも、リラックスした上質なひとときを楽しめる雰囲気です。

●バルコニー(340万円)
ピースボートの新造船エコシップの中で、最多の部屋数になるバルコニー付きキャビン。目の前に広がる大海原を心ゆくまで堪能できます。運河の通行や、フィヨルドの遊覧など、船旅のハイライトをお部屋からゆったりと眺めることができます。

●インサイド(260万円)
ピースボートクルーズならではの参加しやすいインサイドキャビン。窓がないということもあり、金額はもっとも安くなっています。友人同士で気軽に船旅を楽しみたいひとにオススメされています。

新造船エコシップの部屋に装備されている設備

エコシップでは循環型生活用水システムが装備される予定です。そして、半数以上の部屋にはバスタブが設置されます。全室、トイレにはウォシュレットが完備されます。
※新造船エコシップはリピーターのみなさんにお知らせしたときよりも金額がUPしています。これは、新型技術の導入・為替が影響しているからと予想します。

エコシップ建造を支援するピースボートと関わりのある団体

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ピースボートエコシップ造船所
アークテック・ヘルシンキ・シップヤード(Arctech Helsinki Shipyard lnc.)

エコシップ運行会社
シーホークコーポレーション リミテッドインク(Seahawk Corporation Limited, Inc.)

株式会社ジャパングレイス
所在地は東京都新宿区高田馬場

国際NGOピースボート
所在地は各地にあり 東京都新宿区、神奈川県横浜市、大阪府大阪市、福岡県福岡市、アメリカニューヨークなどに拠点を構える。0120953740が連絡先

関わるエコシップメンバー

●アンドレス・モリーナ(造船工学博士)
新型船エコシップ・プロジェクトリーダー
スペインの旅行会社プル万トゥー留にて11年間クルーズ事業のトップを務め、長く造船事業に関わる専門家。2011年よりロイズ船級協会の州辺技術委員長も務めているようです。

●アンドリュー・グラント(ロイヤル・デザイナー・フォー・インダストリーの称号所持者)
シンガポールの『ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ』の「サウスエリア」設計をはじめ、シドニーの『王立植物園』、ロンドンの『オリンピック公園』などの世界中の公園や街をデザインしてきた人物。イギリス王立芸術協会から名誉ある産業デザイナーとして『ロイヤル・デザイナー・フォー・インダストリー』の称号を授与された。

●トーマス・コーベリエル(自然エネルギー財団理事長)
ちゃー留マース工科大学教授。スウェーデンのエネルギー庁長官として、北欧の電力システムを企画させた立役者。ソフトバンクの孫正義社長が立ち上げた『自然エネルギー財団』の理事長をしている。

●クリスティアナ・フィゲレス(UNFCCC前事務局長)
国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)前事務局長です。COP21をとりまとめパリ協定の採択へと道微意板実績があります。先進国、途上国双方の信頼を得て、歴史的な合意を仕上げた手腕は高く評価されています。

●エイモリー・B・ロビンス(チーフサイエンティスト)
各国政府機関や世界の大手企業に先進エネルギーや資源効率、統合設計デザインについて助言している。著書の『新しい火の創造』は、小泉純一郎元総理大臣も絶賛している。タイム誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている。

●西畠清順(プラントハンター)
世界数十ヶ国を旅し、収集している植物は数千種類。プラントハンターとして日本全国の植物園を監修している。代表的な著書に『教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント』がある。

ピースボートエコシップ建造のまとめ

はたして新造船エコシップはいつから造り始めるのか?
5万トンクラスの船を建造するのに1年~1年半かかるといわれています。現在の造船はユニット式で、各パーツごとに応じて製造をしていきます。完成品を合体させて船は造りあげられます。注文住宅のようなイメージです。
こちら9万トンの船を1年で完成させているタイムラプス動画になります。

すばらしい技術革新がみてとれます。新造船の建造を2020年10月にスタートすれば2022年には間に合うという計算ですが、2020年中旬ぐらいから造り始めると安心するひとも増えるでしょう。2021年1月には取りかかるのが最終リミットになります。

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ecoship

おまけ

エコシップが2020年就航から2022年になりました。あいてしまった2020年にピースボートは新しい船をチャーターして世界一周クルーズを行うことを表明しました。ピースボートとジャパングレイスが探してきたのは3隻のクルーズ船とのことです。新チャーター船は2019年4月ごろには、決定されると聞きました。新チャーター船でのクルーズのお知らせは4~5月頃になるようです。新チャーター船の募集をして出航するまで1年と短いので人が集まるの?と疑問に思いましたが、ここ数年のピースボートはどのクルーズも満席で出航しています。アジアを中心に世界各国からの乗船希望者が増えているという噂は聞いています。これからも新造船エコシップの情報を発信していきます。さすが話題には事欠かないピースボートですね(笑)