クルーズ

ピースボート公式ホームページ、ピースボートステーションにピースボートの情報が載っていますが、第三者的な情報はないのかと思い、調べてみました。

雑誌『CRUISE』に、飛鳥2や海外クルーズに情報が載っていましたので紹介します。
その雑誌で、ピースボートの記事が載っていました。

文章を書いた記者はネットのピースボートへの悪評を理解しており、政治色があるのでは?と考えて取材に挑んだようですが、思っていたより一般的なクルーズだったと感じたようで、記事の内容から読み取れます。

船

ピースボートで趣味を見つける

ピースボートは「地球一周の船旅」と題する世界一周クルーズを年に3回実施している。ポスターを街で見かけたことのある方も多いだろう。南極航路、北極圏、オセアニアなど各回バラエティーに富んだルートで、年間300日以上は世界一周に就航しているのが「オーシャン・ドリーム」(3万5265トン)だ。

昨年開始した春のショートクルーズは、世界一周乗船前の下見として、また気軽なレジャークルーズとして好評という。今年(2016年)は横浜発着で佐世保・済州島・広島をめぐる9日間のコース。

オーシャン・ドリームはもともとは1982年にカーニバル・クルーズ・ライン向けに造られた客船で、船尾デッキの手すりの曲線や、チーク材の床などが古き良き客船の雰囲気が感じられ美しい。このデッキ越しに見る世界の海や街の景色は、さらに旅情豊かなものになりそうだ。

出航パーティーも船尾デッキで。今航最高齢の90歳の男性と、最年少の10ヶ月の男の子が両親と一緒に、鏡開きで出航を祝う。イベントはすべて日本語と英語の2ヵ国語で行われる。乗客は約900人、ほとんどは日本人だが、YMCAの研修生など、12ヵ国から乗船している。

船内を見まわすと若者が多いのが印象的だ。乗客もだが、ピースボートでは学生などのボランティアスタッフがイベントの運営などに携わる。20歳代の日本の若者がたくさんいる船内の光景は新鮮だ。地球一周に乗船したリピーターも多いようで、船内のあちらこちらで再会を喜ぶ声が聞こえてくる。

出航

「船友」を作りやすい環境

ピースボートの大きな特徴の一つが相部屋だ。客室プランには夫婦や友人同士で一緒の客室に泊まる「ペアタイプ」、一人部屋の「シングルタイプ」のほか、4人相部屋の「フレンドリータイプ」がある。一番代金の安い「エコノミー」の4人相部屋なら、9日間で8万9000円だ。通常のクルーズではシングル乗船だと1.5倍〜2倍の代金がかかってしまうことがほとんどなので、相部屋が苦でない人にはこの制度はうれしい。

部屋割りは近い年代の人が同室になるよう調整される。最初のディナーで同じテーブルになった60歳代の男性2人は、一緒の客室になったので声をかけ合いダイニングを訪れたのだという。

船内にはメイン・ダイニングのほかにビュッフェ「リド」と「パノラマ」があり、昼はラーメンなど麺類やハンバーガー、夜は豚丼や親子丼など気軽な軽食が日替わりで食べられる。食欲旺盛な若者はメイン・ダイニングのディナーのあとリドへ「はしご」することも。夜には一部が居酒屋「波へい」となり、枝豆や唐揚げなど定番メニューが登場。カウンター席では偶然隣り合わせた乗客との会話も弾む。ラーメンや居酒屋メニューは世界一周中は特にうれしいだろう。メイン・ダイニングの食事も、世界一周中は肉じゃがや焼き魚など家庭的な料理が増えるという。

乗船日はディナーの前に希望者が集まってグループを作り、ピースボートのスタッフが1人ずつ加わってダイニングに向かう「ディナーをご一緒に」や、「船友をつくろう!大交流会」など船友づくりのイベントが多かった。世界一周クルーズで培った、船内の雰囲気をわきあいあいとさせる工夫なのだろう。もちろん強制ではないので、ディナーで隣り合った際は会話を楽しみ、あとは夫婦で、一人で、静かに過ごすこともできる。

世界一周の下見にも

乗客にこのクルーズに乗ったきっかけを聞くと「新聞広告で見た」「船内見学会に行ったら案内が届いた」という初クルーズ組と、「地球一周を予約・検討しているので」という下見組、「地球一周に乗って船上が懐かしかったので」というリピーター組に大別できる。

わが家のように食べ飽きないほっとする食

クルーズディレクターの田村美和子さんによると「世界一周に乗りたい方がお試しで乗船できるよう、船内の企画や、乗客による『自主企画』なども世界一周と同じように実施し、雰囲気がわかるようにしています」という。ショートクルーズでイベントも盛りだくさんだと少し忙しく感じるかもしれないが、「寄港地ももちろんですが、船上生活が印象的で楽しかったとおっしゃって世界一周への乗船を決める方も多いです」とのこと。相部屋がいいか一人部屋がいいか、持っていくと便利なものは、どんな食事が出るのかなど、いきなり世界一周に乗船せずに下見をすることは100日間の旅の満足度を大きく左右するようだ。

自主企画とは、乗客が趣味の仲間を募ったり、自分で発表したいことを講演したりするもので、船内のラウンジなどが会場として使え船内新聞にも掲載される。「フォークを歌おう会」「詩吟を楽しむ会」「日本地理クイズ」「御朱印集めている人集まれ」など気軽なものからディープな趣味までテーマは多彩。自分に合うものが必ずいくつか見つかりそうだ。

クルーズ

ゲストの「水先人」

ピースボート主催のイベントにはヨガ、社交ダンス、ベリーダンス、英会話教室などカルチャースクール講師によるものと、「水先人」と呼ばれるゲストによる講演やパフォーマンスがある。寄港地の世界遺産についての講演会、世界的に活躍するジャグラーによるジャグリングショーなどクルーズらしいものに、「難民問題とシリア情勢」といった硬派なテーマの講演が加わる。実は乗船前は安保法案について考えるような政治的なものが多いのかと思っていたが、講演のテーマは身近な社会問題についてわかりやすく解説したり、水先人がこれまでの人生を語ったりと幅広かった。

<2016年雑誌『CRUISE』より>