
インターネットの普及とともに、格安航空券や宿泊のCtoCサービスの発達など、世界を旅する手段が幾通りも思いつく時代になりましたね。今回は、ピースボートの船旅とバックパッカーなどの一人旅について比較してみましょう!
一人旅とピースボートの移動手段を比較

バックパッカーで海外を旅する場合
- PEX(ペックス)
航空会社が販売する正規割引運賃の航空券。一部を除き座席指定やマイルの加算が可能です。 - FIX(フィックス)
出発前に帰国便の日程と経路を確約させる航空券。基本的に変更は不可です。 - OPEN(オープン)
有効期限内なら自由に帰国便を変更できる航空券です。 - FIX OPEN(フィックスオープン)
有効期限内であれば帰国便を一回のみ変更できる航空券。変更には有料の場合もあります。
様々な条件や特徴を備えた航空券があり、自分の旅に合ったものを賢く選ぶことが重要です。旅の最中に国境をまたぐ場合はフェリー、鉄道、バスなどを使うこともありますが、これらの手配や予約は現地で行うことが多いです。
ピースボートの場合、横浜・大さん橋旅客ターミナルや神戸ポートターミナルから参加者を乗せて地球一周の船旅へ出発します。寄港地から寄港地へは船で移動し、船は基本的にゆっくりと大海原を進むため、時差ぼけが発生しません。また、港の周りが観光地になっている場所が多いので、移動の疲れが発生しにくいのも特徴の一つです。なによりも、周りに何もない大海原でコバルトブルーの地平線を眺めながら物思いにふけったり、新たに出会った友人とお酒を楽しんだり、時にはイルカやウミガメ、クジラに遭遇するといった、「移動」というカテゴリーには収まりきらない船旅ならではの楽しみが凝縮されています。
バックパッカーとピースボートの期間を比較

バックパッカーや一人旅では、その人のライフスタイルや考え方によって旅の期間は様々です。休暇を利用して2泊3日の弾丸ツアーから、数年かけて住むように世界中を旅する人まで、旅のスタイルは十人十色です。「放浪タイプ」のバックパッカーは、行きのチケットだけを決め、気の向くままに様々な国を旅することが多いようです。自分の希望に合わせて自由に期間を決められる自由度の高さが、バックパッカーの魅力の一つと言えるでしょう。
「期間」に着目し、ピースボートの船旅を分けると「地球一周」「ミドルクルーズ」「ショートクルーズ」の3つがあります。
- 「地球一周」
約100日間かけて、世界の国々を巡るコースです。年に3回程募集があり、これまでに延べ6万人を超える人々が参加しています。 - 「ミドルクルーズ」
アジア・オセアニアなど、特定の地域にスポットを当て航海するタイプのクルーズです。期間は約50日間と、地球一周の半分ほどの期間となります。 - 「ショートクルーズ」
1週間から2週間かけて、日本近海の国や地域を訪れるクルーズです。船旅の特徴を試すちょうど良い機会になります。
どのタイプの船旅も、一定期間の時間を確保することができれば参加が可能です。
一人旅とピースボートの語学力について比較

バックパッカーで旅をする場合、宿や交通手段、入国審査やビザの手続きなど、すべて自分で手配する必要があります。ほとんどの場合は、旅に関係する基本的な英単語や例文さえ覚えていれば何とかなりますが、万が一トラブルに巻き込まれたときや、病気やケガを負ったときなどには、自分の身を守るためにも状況を相手に正確に伝えられるだけの語学力が必要となります。
ピースボートの船旅では、約8割の乗客が日本からの参加者で、船内のレセプションやツアーデスク、売店などは日本語で対応してくれます。そのため、船内生活において語学力が必要とされる場面はあまりありません。もちろん、寄港地で自由行動や観光、現地の方との交流の際には語学が必要になることもあります。しかし、ピースボートでは船で出会った英語が話せる友人たちと一緒に寄港地を回るのも素敵な思い出になるでしょう。
一人旅とピースボートの宿泊・食事を比較

バックパッカーで旅をする場合、宿はゲストハウスやホテル、最近ではAirbnbなどを利用する人が多いです。インターネットで事前予約をするのが一般的ですが、ゲストハウスなどでは飛び込みで宿泊できる場合もあります。食事は基本的に現地の屋台やレストランで外食することが多く、現地の食事が合わないと旅人にとっては非常につらい状況となります。そんな時、日本人が経営する日本食レストランを見つけると、心からほっとすることでしょう。
ピースボートの船上生活では、船内に数か所あるレストランで食事をとることになります。食事は旅行代金に含まれており、洋食のコースメニューや和食メニュー、ビュッフェ形式の軽食など、毎日好みに合わせた食事を自由に選ぶことができます。寄港地では現地の美味しい料理を楽しみ、船内では日本人の好みに合わせた食事が提供されます。また、宿泊する船室には「窓あり・窓無し」や「一人部屋、二人部屋、四人部屋」など、設備の異なる船室が用意されており、どの部屋も1日1回シーツの交換やアメニティの補充など、クルーによる清掃が行われます。
一人旅、ピースボート年齢を比較

現在、日本人のバックパッカー旅をする人の多くは20代後半~30代前半で、以前に比べて10代~20代前半の旅人は減少したと言われています。中には60代でバックパッカーデビューを果たした方もいますが、比較的若者が多いのが特徴です。
ピースボートの参加者の年齢分布は「若年層2割:中年層1割:シニア層7割」となっています。現役を引退されたシニアの方が多く乗船されています。
一人旅、ピースボート旅での出会いを比較

バックパッカーで旅をしていると、日々多くの人々に出会います。様々な国からやってきた若者たちと一緒にご飯を食べたり、語り合ったりすることができます。1つの場所に長く滞在していると、現地のお店の人が顔を覚えてくれたりと、ほっこりする出会いがたくさんあります。
ピースボートの船旅は、世界一周だと約100日間、船の上で約1000名の乗客と生活を共にします。初めて見る世界に一緒に驚き、共に感動することで、一生の仲間や友人ができたという方も多いでしょう。
中には、船の上で出会い、数年後に結婚するカップルもいます。世代間の交流も非常にスムーズで、若者は人生の先輩から多くを学び、シニア世代は下の世代からパワーを受け取るという学びの循環が起こりやすいのも特徴のひとつです。ピースボートは国際交流を目的とした団体で、寄港地ごとに現地の方との交流プログラムを積極的に用意しています。
ピースボート、一人旅予算を比較

バックパッカーの予算は、行きたい国や旅のスタイルによって大きく変わります。比較的物価の安いアジアでは1日最低3000円程度、ヨーロッパや北米では1日最低10000円〜20000円程度と言われています。
ピースボートの地球一周の場合、約100万円からの費用が必要です。バックパッカーと比較すると高く感じるかもしれませんが、ピースボートには手持ちの現金が少なくても乗船できる方法があります。それは、全国にあるピースボートセンターで事務作業やポスターの貼り付けなどのお手伝いをすることです。これにより、旅行代金の割引を貯めることができます。割引を全額分貯めることで、旅行代金が実質0円で乗船することも可能です。
一人旅のバックパッカーとピースボートまとめ

バックパッカーとピースボート、それぞれに魅力的な特徴があります。
「旅」と一口に言っても、求める要素や哲学、ライフスタイルによって旅の形は大きく変わります。バックパッカーとピースボートは、それぞれ全く異なる楽しみを提供するため、どちらも独自の魅力を持っています。人生は一度きりです。
あなたが自分のやりたいことに踏み出す一歩として、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。